読むロジョン / スローガン2

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読むロジョン / スローガン2

Slogan 2
Regard all dharmas as dreams.
すべてのダルマを夢と見なす


スローガン1で「心の準備」ができたら、いよいよ本格的なマインド・トレーニンが始まります。スローガン2からは、私たちが本来持っている思いやりの心を鍛えていきます。この思いやりの心を、ボーディ・チッタ(Bodhichitta)と呼びます。そしてこの思いやりの心は、自分が本来備わっている優しさや思いやりに自分で触れていく、絶対的なボーディチッタ(Absolute Bodhichitta)と、思いやりを家族や友人など周りの人に向けていく相対的なボーディチッタ(Relative Bodhichitta)の2つの側面があります。この側面に関しては、以前紹介したBlog『2つの思いやり』を参考にしてください。そしてこれから紹介するスローガン2から6までは、絶対的なボーディチッタを鍛えるインストラクションとして設定されています。要するに、自分が本来もっている柔らかさや思いやりの心に自ら触れて、それを再確認していくためのものです。スローガンに触れるときに、この方向性を覚えておくと良いでしょう。

前置きが長くなりましたが、今回の紹介する2つ目のスローガンは、『すべてのダルマを夢と見なす』です。このスローガンでの「ダルマ」というのは、「現象」という意味ですので、あえて言い方を変えれば、『すべての現象を夢と見なす』とも表現もできます。抽象的でよくわからないスローガンですね。でも大丈夫です。このスローガンについては、メディテーション(瞑想)をしているときをイメージすると、とてもわかりやすくなります。

例えば、マインドフルネス・メディテーションで呼吸に意識を向けていると、ふっと何か考えが浮かんで、何かを聞いたり、何かを見たり、何かを感じたりしてるような感覚があります。しかしある程度メディテーションに慣れてくると、メディテーション中のそうした感覚や考え事(思考)は、全てわたしたちの心が作ったものにすぎないことに気が付き始めます。

メディテーション中は、仕事の心配や、家族との楽しい思い出や揉め事、食べ物や欲しいもの、銀行残高など、さまざまな思考がランダムに、そして絶え間なく思い浮かびます。それらの思考は非常にリアルで鮮明で、ときには体が緊張したり、興奮して脈拍が上がることもあるかもしれません。思い浮かぶものがとても現実的で、確固たるもので、変化しないように思えるかもしれません。しかし、落ち着いて、それら心が生み出す思考をよく見てみると、全てが揺らいでいて、常に変化して、そして柔らかな夢のようなものだとわかります。苦しいこと、楽しいこと、暑さ、寒さなどメディテーション中に経験することは何であれ、単に記憶に過ぎないことがわかってきます。

また一方、メディテーションをしている時以外の日常に目を向けてみると、生活の中で経験するさまざまなことは、私たちの知覚を通して何かを認識していることがわかります。例えばカレーの香りを嗅いだら、まず嗅覚の器官である鼻が、香辛料などの香りを捉え、その感覚器官が捉えた知覚情報を感覚意識と呼ばれる『心』に送ります。そして心が「あ、これはカレーだな」と認識していきます。このように私たちは何かを認識するとき、直接的に得た知覚を過去の経験を参照してその記憶を心で再生し、それが思考として見ているのです。

そうした視点から言えば、私たちが体験したり経験することは、すべて心が再生したものに過ぎず、現実の出来事よりはむしろ夢に近いものと言えるのです。私たちは仕事をしていても、通勤していても、家事をしていても、ある種の夢を見ているような状態なのです。

メディテーションしていても、日常生活を送っていても、私たちが見ているのは心が作り出した
夢のように柔らかく変化するものであることを理解していくこと。それがこのスローガンの指示です。メディテーションを通してこの柔らかな感覚がわかり始めると、私たちが経験する全てのものは夢のように柔らかく、決して変わらない固定した出来事や感情はないことが少しずつわかるようになっていきます。世界の全てに向き合えず、変えられないものはありません。全て夢と同じなのです!

職場や家庭で感情や考え事が凝り固まって、心が何かに重く、大きくのしかかられたら、ぜひこのスローガンを思い出してください!何事も夢のように柔らかく、そして変化して過ぎ去っていきますよ。