オンラインメディテーション

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オンラインメディテーション

テレワークへのシフトや外出自粛が進む中、オンラインを活用した様々な活動が生活の一部になりつつありますね。ビジネス会議に限らず、プライベートな活動も一般的になってきました。メディテーションクラスもオンラインへのシフトが進んでいます。True Nature Meditationでも4月から全てのクラスをオンラインへ移行しましが、「オンラインでメディテーションって効果があるの?」といったご質問をいただくことも多くなってきましたので、今回はオンラインのメディテーションについて少し書いてみたいと思います。

 私がメディテーションを学んできたアメリカでは、ここ数年オンライン・メディテーションはとてもポピュラーになりつつありました。CalmやHeadspcaceといったメディテーション・アプリでも、オンライン・メディテーションクラスが盛んに行われるようになっていましたし、2年ほど前にJack Kornfield先生がオンラインでのメディテーション指導者養成プログラムを開催したとろころ、あっという間に1500名を超えるエントリーあったとうことが瞑想業界内で話題になっていました。

 さらに最近のアメリカ国内でのコロナウィルスでの感染拡大によって、既存のメディテーションセンターやスタジオのオンライン化の流れがさらに拍車がかかっています。David先生が指導者養成プログラムを行ってるニューヨークのTibet Houseもオンラインへ移行しましたし、西海岸のメディテーションスタジオも全てオンラインへ移行しています。

 アメリカのポストコロナの世界では、メディテーションはオンラインで学ぶということが主流になってしまうではないかと感じるほど急激な変化が進んでいます。

 私自身のオンラインでのメディテーションの体験といえば10年以上前に遡ります。すでにこのブログでも何度か書いていますが、David先生が私にメディテーションを伝える際には、ニューヨークで直接指導をして頂く以外にも、私が日本やヨーロッパにいる間は、Skypeのビデオ通話で仏教哲学・心理学の個人講義を受けたり、一緒に坐ったりするセッションを続けていました。私の『瞑想人生』の半分はオンラインを通した経験からなっているといってもいいかもしれません。

 Skypeでセッションを始めた当時は、一台のパソコンでビデオ通話を行い、もう一台のパソコンでウィキペディアを開いて、デイビッド先生との講義で繰り出される英語の仏教語やチベット語をひたすら日本語に変換して理解をするめるといったことをしていました。会話の途中でよくDavid先生の話を遮って検索したことを思い出します。よく先生も我慢してくれたものです(笑)

 また、私が日本で瞑想指導者養成のプログラムを始めた当初から一部のプログラムはオンラインでの開催も行なっていました。地方にお住まいの生徒さん、育児に忙しいお母さん生徒さん達が時間や距離的な制約がなくプログラムを受けて頂きたかったことと、上述のようにもともと私自身がオンラインに抵抗がなかった為です。

 実際にオンラインで指導をしている側面からご説明すると、オンラインで指導をすることは”ほぼ” 問題ありません。メディテーションを指導するときに指導者が見るポイントは、メディテーションをしているときの表情や眼、身体の状態や、そこから生まれている全体的な雰囲気などです。PCの画面越しに表情や身体の緊張や弛緩の状態は問題無く見て撮ることができます。むしろ参加人数の多いクラスなどでは、リアルなクラスよりオンラインの方がこと細く生徒さんの表情を見ることができたりします。そういった意味ではオンライン瞑想クラスは全く問題なく機能します。

 一方オンラインだと伝わりずらいものもあります。それは空気感です。なにか漠然とした言葉ではありますね。もうすこし詳しく書くならば、指導者が醸し出す雰囲気や、その指導者のいる空間の全体的な雰囲気といえるかもしれません。

 私がDavid先生から学んでいる瞑想の伝統には、「瞑想の残り香」という言葉があります。経験を積んだメディテーターが日々瞑想を行なっているとその練習場所には柔らかな空気感が漂うようになり、練度が高まったメディテーターはその瞑想の残り香を身に纏うことができるといわれれいます。

 私がDavid先生といるときには、いつもこれを感じていますし、その空気感の中でメディテーションをすることが練習生である私にはとても有益な時間であったりします。メディテーションをしている際に落ち着きやすいというか、柔らかく座ることができます。メディテーションに真摯に向き合い練習と続けている瞑想指導者には大なり小なりこうした空気感をまとっていますし、その空気感を指導者が座る空間に伝播させます。家では落ち着いてメディテーションができないけど、メディテーションスタジオへ行くとなぜか座れてしまうということもこれが一因だったりします。残念ながら現在のテクノロジーレベルではこのある種の空気感を伝え切ることは難しいでしょう。

 以上のことからオンラインの瞑想学習が効果があるかというと、最初に申し上げたようにほぼ問題ありません。自身の知識を深めたり、しっかり自分がメディテーションができるように練習するレベルに置いては全く問題ないと言ってもいいでしょう。そしてメディテーションスタジオやセンターにて経験が長い指導者と同じ空間を共有することは、皆さんがオンラインで学んだメディテーションの体験や知識をしっかりと統合することに役立ちます。最後の塩の一振りで料理の味を整えるようなものと例えられたりします。

 コロナウィルスの問題は15年前にはありませんでしたが、ニューヨークと東京の空間的な距離や約半日の時差の壁が私にはありましたので、私自身もオンラインでの瞑想実践と仏教学の勉強を十分活用してきました。その経験があったからこそ、ニューヨークやハンプトンでデイビッド先生と共に過ごす時間が、オンラインで積み上げてきた経験知識を私自身に馴染ませることができたのだと思います。

 これからメディテーションを学びたいと考えている方や、すでに実践を進めている方も、ぜひオンラインでのメディテーション学習を進めて頂ければと思います。そして世の中の状況が落ち着いたら、リアルな生の指導者に触れる機会をつくってみてください。きっと良い相乗効果があると思います。

 この4月からデイビッド先生が私たちのような古参の生徒に向けたオンライン勉強会をスタートしてくれました。最近の私の一番の楽しみは、このオンラインクラスに参加して、さらに知識を深めることと長年トレーニングを続けているメディテーター同士での様々なディスカッションです。オンラインではありますが、オフライン以上の発見があったりします。みなさんもぜひオンライン体験してみてください。