RETREAT
退屈を楽しむ
Hot Boredom & Cool Boredom
瞑想とは、退屈を楽しむ実践です。
退屈は、心のスピードが落ち、潜在的なおしゃべりが弱まるときに現れる最初の徴候です。そして、この退屈は、普段より長く座ることでいっそう鮮明になります。
チョギャム・トゥルンパは、退屈には「ホットな退屈」と「クールな退屈」という二つの質があると説明しました。TNMのリトリートは、この「二つの退屈」を直接経験するための場です。
Hot Boredom は、落ち着かず、そわそわし、イラつきを伴う退屈です。呼吸に戻るという単純な動作が障害のように感じられ、心の中で続いていた潜在的なおしゃべりが弱まるときに現れます。座る時間が長くなるほど、この落ち着かなさは自然に立ち上がりやすくなります。不快であっても、実践が正しく働き始めている徴候です。
Cool Boredom は、軽く、静かで、澄んだ退屈です。特別なことが起こらなくてもそのまま心地よく、思考のおしゃべりが力を失い、ものごとが透明に見え始めます。長く座り続けることで、Hot Boredom の熱がゆっくり静まり、この Cool Boredom が自然に姿を現します。
チョギャム・トゥルンパは瞑想を「スピードを落とし、自分自身と正面から出会うこと」と説明しています。リトリートでは、普段より長く座り続けることで、ホットな退屈からクールな退屈へと、退屈の質が変わっていくプロセスが明確になります。この変化をそのまま体験することが、リトリートの核心です。