読むロジョン / スローガン 42

トンレン ロジョン Feb 09, 2023

Slogan 42
Whichever of the two occurs, be patient.
2つのどちらが起きても、忍耐強くあれ。


 今回のスローガンは、幸福な時でも不幸で苦しい時でも、どちらでも忍耐強くいましょうというスローガンです。

 今現在、何かしらの苦しみがあるとすれば、それはこれまでのカルマ、すなわち過去に行ったことが今、結実しているため、その苦しみの原因を取り去ることはできません。過去の出来事に手を加えることができないからです。しかし、今後同じようなことが起こらないように、今自分のできる行動を、悪い結果を生まないものにしていくことはできます。状況が不明瞭にも関わらず闇雲に行動してしまうとか、十悪に代表される将来必ず悪い結果をもたらす行動を慎むことはできます。

 また、今楽しく、幸せを感じでいるのであれば、それも過去のカルマの結果にすぎません。また、それが無くならないようにしがみついても幸せは持続せず、新たな幸せを生むことはありません。それよりもその豊かさや幸せ、寛容さを持って周りの人たちに配ることが、さらに徳を積むことに繋がり、結果として良いカルマの循環を作ります。

 とてもシンプルなことですが、毎日の生活の中で、余裕がなくなったり動揺していると、私たちの心の視野は狭くなり、何か余計で、悪い循環を生み出す生き方に手を出しがちです。そして、その悪循環がロジョンや瞑想の練習から遠ざけ始めます。

 自分が練習できないことを、あらゆる言い訳を使って正当化し始めます、仕事が忙しい、心が辛い、練習環境が悪い、先生が信じられない、などなど…。私たちが練習に向き合うとき、こうした経験は誰しもに少なからず起こるものです。

 このスローガンにある「忍耐」とは、時間をかけてじっくり腰を据えていくことを意味します。人生の状況が悪くも良くも、練習と勉強を続けていくことが大切だと言っているのです。楽しくても苦しくても、練習を不安定にさせることなく、忍耐を持ってじっくり進める必要があるのです。幸福でも不幸でも、大地に根ざして浮つかずに、じっくり人生を進めることが肝要なのです。